先日沖縄に行った際に、Carvy Wetsuitsさんのショップに伺い、ずっと気になっていたCarvyフローティングベストを購入(自分用に)してきました。
Carvy製品はCarvyさんのショップから直接通販で購入することも可能ですが、この度Cetusでも扱いを始めました。
ウェットスーツ類も高品質でリーズナブルな価格の良い製品が色々ラインナップされていますが、差し当たり今回は、先日入手したフローティングベストと、その姉妹品のようなインパクトベストをメインご紹介したいと思います。
フローティングベストとインパクトベスト
Carvyの浮力補助兼緩衝ベスト(一般的にインパクトベストと呼ばれるタイプのベスト)には、「フローティングベスト」と「インパクトベスト」の2タイプ(※ フローティングベストにはベンチレーションモデルもあります)の製品があります。
SUPのツーリングでは、カヤックほどPFDやライフジャケットの類の着用が定着していないように感じていますが、必ず何かしらの浮力補助対策は講じる必要があります。
また、サーフィンをする際にも衝撃から体を守るためのベストを着用しておくことが望ましいと思います。
CARVYのフローティングベストとインパクトベストは、カヤック用のPFDほどの浮力はありませんが、逆にカヤック用のPFDのような“いかにもな着心地”でもありません。
SUPでサーフィンをしていても違和感のない着心地ですが、プローンパドリング(腹ばいでパドルを使わず手でパドリング)も普通にできるスタイルです。
川でなければ(これについては後ほど説明します)、いざという時に膨らまないなどのトラブルもパンクすることもないこのタイプのベストは、SUPには最適なタイプの安全装備だと思います。
さらにCARVYのベストには付加機能も付いているので魅力満点です。
右:インパクトベスト
前面
右:インパクトベスト
背面
上の写真どちらも(1枚目の写真が前面、2枚目の写真が背面)左側がフローティングベスト、右側インパクトベストです。
初めにお断りしておきますが、ここに掲載の写真は実際に海で使用した後などに撮影していますので、海水が乾いて白くなっている箇所もあります。ご了承ください。
また、この写真ではインパクトベストの方が小さく見えますが、フローティングベストのサイズがXL(私の)、インパクトベストのサイズはM(親しいお客さんが以前から使っているもの)なので、インパクトベストの方が小さ目な作りということではありません。誤解のないように。
この2つはどう違うのか?
ところで、似ているのものが2種類並んでいると何が違ってどっちを選んだら良いか迷うと思います。
しかし、Carvyさんのウェブサイトではその辺りもちゃんと解説しているので、ここで私が再度説明する必要などなさそうです。
そして実際、どちらにするか私も少し悩みました。
フローティングベストを選んだ理由は、より着心地を優先(インパクトベストの着心地が悪いという意味ではなく、フローティングベストの方がよりナチュラルという意味)したというのもありますが、他にも理由があります。
フローティングベストは背面には浮力体が2枚入っているのですが、これを抜くことができ(インパクトベストの浮力体は全てフィクス)、1枚抜くと(2枚とも抜くことも可能)着心地が少しルースになります。
春から秋の薄着の場合は2枚とも入れたままにしておき、冬に5mmのフルスーツを着る際には1枚抜くといった使い方(5mmのフルスーツだけでも結構浮力があるので1枚抜いても浮力は十分で、1枚抜くことで良いサイズ感になってゴワツキも減る)を想定しました。
また、この浮力体が入っている部分はジッパー付きのポケットとしても使えます。
ツーリングに出るときに、携帯電話などを入れておくのにも良い(万一のための携行なので頻繁に取り出すことはないため場所はここで十分で、前面に入れておくより携帯電話を誤って押し潰してしまうなどの心配もない)というのもあります。
私はこうした理由から、主に普段のビーチブレイクでのサーフィンやツーリング用として今回はフローティングベストを選びました。
一方、インパクトベストの前面は片側を3つのパート(左右6つのパート)に分け、フローティングベストより高い位置から低い位置までプロテクター兼浮力体が入り、脇にもプロテクター兼浮力体が入っています(フローティングベストにはない)。
背面はフローティングベストのように浮力体(プロテクター)の枚数を調整することはできません(フィクスなのでポケット機能もなし)が4つのパートに分けて動きやすくしています。
インパクトベストの方が若干フローティングベストより“何か着ている感”は高まりますが、衝撃からのプロテクション能力はより高まっています。
フォイルやウィンドサーフィンなどで使用するのであれば、より安全性(耐衝撃性)の高いインパクトベストを絶対にお薦めします。
また、この他に、より暑い気候向きの全面がパンチングジャージのフローティングベスト ベンチレーションモデルという製品もあります。
どちらがより優れているとかではないので、目的や使い方に応じて選んだら良いと思います。
しかし、一つ注意点があります。川の流れの中には川底に引き込まれるような力が働く部分がありますが、どちらもそれに対応するほどの浮力はありません。
川では、PFDとして認定されたカヤック用のベストなどの使用をお薦めします。
また、船舶ではサクラマークの入ったベストなどが必要となります。
どちらも、あくまで体のプロテクションと最低限の浮力を確保するためのベストとお考えください。
サイズ感に関しての補足
こちらのページのサイズチャートではフローティングベストのXLのバストは98cmとなっていますが、私の胸囲106cmです。
しかし、実際にシャツ1枚で試着してみたところ、XLで十分だったので、フローティングベストのサイズはXLを選びました。
ピッタリとフィットして動きやすく、ウェットベストやロングジョン/ショートジョンの上半身のような着心地です。
また、インパクトベストもショップで試着させてもらいました。
インパクトベストのバストはサイズチャートでXLが100cm、Lが95cmとなっていますが、インパクトベストの方がフローティングベストより若干着心地は大きめで、インパクトベストならLにするかXLにするか迷うような感じで、冬の厚着のことも考えるとやはりXLだろうかといったところでした。
色と価格
どちらもベイシックカラーはホワイト・ブラック・スモーキーブルーの3色の展開です。
そして、ベイシックカラーの場合は、価格はどちらも¥18700(税込)です。
また、ベイシックカラー3色の他に、16色からカラーオーダーをすることも可能です。
カラーオーダーの場合の価格は¥20900(税込)です。
私は持ち帰りたかったので、差し当たり今回はベイシックカラーのブラックを購入してきましたが、価格が¥2200アップしてしまうものの、色に拘りたい方には嬉しいオプションです。
またそれだけでなく、カラーオーダーの場合は生地がより伸縮性の高いネッスルジャージになり、着心地もさらにアップするようです。
フローティングベストベンチレーションモデルは¥24200(税込)です。
Cetusでご注文いただく場合
直接Carvyさんから通販で購入する場合は、商品代金の他に全国一律¥1400(税込)の送料が別途必要です。
Cetusにご注文いただいた場合は、当初2着以上のご注文が集まればこの送料が無料と書きましたが、条件を金額ベースに変更しました。
Cetusにご注文いただいた場合は、¥25000以上のご注文で送料¥1050(税込)、¥30000円以上で送料¥700(税込)、¥40000円以上で送料無料になります。
但し、これは通販ではなく手渡しの場合に限ります。
また、これは他の人と合わせて上記の金額のご注文が集まっていればという意味ですので、お待ちいただけるのであれば、送料が割引または無料になるという意味です。
ポケットについて
所謂インパクトベストと呼ばれるタイプのベストには、大抵ポケットは付いていません(少なくもと私は見かけたことがありません)が、CARVYのベストには便利なポケットが付いています。
これはかなり大きなポイントです。
胸ポケット
フローティングベスト/インパクトベストどちらも左胸にはカメラなどを入れておけるポケットがあります。
私は、仕事柄防水カメラを持っておきたいことが多いのですが、PFDには胸または腹ポケットが付いたものが多いものの、他社のこのタイプのベスト(インパクトベストと呼ばれるタイプ)にはポケットがないため、他社のインパクトベストを着ているときは衿ぐりにカメラを突っ込むようにしていました。
これはあまり心地良くはないので、このポケットは大変ありがたい装備です。
ポケットの口にジッパーなどは付いていないのですが、十分な深さがあり、伸縮性があってピタッと密着されるため、普通にパドリングしている最中にポケットからカメラなどが落下する可能性は極めて低いと思います。
また、ジッパーなどはない方が伸縮性を妨げてしまうことなどもないので、むしろない方が使い勝手は良いと思います。
しかし、いずれにしてもポケットから取り出して撮影中に落としてしまう可能性はあるため、紛失防止対策として上の写真のようにジッパーのスライダーにストラップを取り付けておくなどはしておいた方が良いと思います。
また、このポケットは、上の写真のように普通の防水コンパクトカメラを収めておくのにももちろん重宝しますが、下の写真のようにフローティンググリップを付けたGoPoをここに差し込めば、チェストストラップのような位置からの撮影が可能になります。
これがかなり便利そう(まだあまり試していないのですが)です。
チェストストラップはパドリング中にパドラーの視点に近い(位置が少し低くはなりますが)臨場感のある光景を撮影することができます。しかし、簡単に付け外しがしにくい(脱着中に水中に落としてしまうリスクもある)ため、体を向けた方向のみの撮影となってしまいます。
フローティンググリップの魅力は色々な方向に向けたり、ボードの上から水中に手を突っ込んで水中の撮影をできたりするなど自由度が高いことです。しかし、パドリング中はボードの上に固定するなしなければ撮影することができません。
この両方の弱点を解決できるポケットということになります。
激しく波に巻かれるなどすればカメラを落とす可能性はあります(フローティンググリップが付いていれば沈むことはありませんが、流れ止めを付けておけば見失う心配もほぼなくなります)が、普通にパドリングしている最中やほどほどの波であればそのリスクも低く、一台のGoPoで色々な撮影ができて便利だと思います。
裾と腰ポケット
背面の腰の辺りには500mlのペットボトル程度の物を入れておけるポケットがあります。
ツーリングボードであればデッキに水筒やペットボトルを固定しておけば良いわけですが、固定することのできないボードの場合は非常に重宝する装備です。
特に暑い時にサーフィンしている最中にあったら便利なポケットですが、ブレイクが遠いところにあるサーフスポットの多い沖縄では、これは本当にありがたいと思います。
因みに、2枚目のペットボトルを収めた状態の写真はわかりやすいようにキャップの部分を出しているだけで、実際には全体がすっぽり収まる大きさがあります。
もちろんボトル専用のポケットというわけではないので、使い道はアイディア次第です。
また、裾付近の両サイドには、ポケットに入れた物の紛失防止のための細引きなどを繋いでおく(体に絡絡みつかないように注意)のにちょうど良い位置にウェビングループも付いています。
位置がちょうど良い感じだったので、私はここにパドホル(これは付属品ではありません)をつけてみました。
この腰ポケットの裏側も胸ポケット同様パンチングジャージになっているため、水が抜けやすくなっています。
そして、浮力体より下の裾部分は長めになっていて体にピッタリフィットしますので、ウェットパンツやトランクスと組み合わせた場合もお腹が出てしまいにくい作りとなっています。
着用を習慣づけてしまいましょう
カヤックの人はPFDを着用することが当たり前になっています(日本では法的な着用義務はありませんが)が、最初の方でも書いた通り、SUPの場合はカヤックほどにはまだ定着していないように感じます。
このタイプのベストはPFDよりもっと着心地に違和感がないので、慣れてしまえばクルマのシートベルト程度のことです。
普段小波でサーフィンをしたり沿岸をショートツーリングしたりする時から着用する習慣をつけてしまえば、遠出する時にも着忘れたなんてことがなくなるので、普段から着ることを習慣づけてしまうのが良いだけではないでしょうか?
CARVYのその他の製品
その他、ウェットスーツも高品質な自社製の国産(ショップは工房を兼ねている)でありながら比較的リーズナブルな価格で提供されていて、形も様々なタイプが揃っています。
大変伸縮性の高い高品質な素材で作られていて、サイズは10サイズから選べるため、余程突出した部分のある体形の人なければ、サイズ調整なしで十分快適に着られるように思います。
また、SUPはロングジョン/ショートジョンをベースにジャケットやタッパー、ラッシュガードなどのシャツ類との組み合わせでレイヤリングする人は多いと思いますが、ALL2mm ラバーロングスリーブジャケット TypeII(価格:税込¥20900)はSUPに適した仕様となっているため、特にお薦めです。
また、まだ実際に自分で試したわけではありませんが、フローティングベストとALL2mmウェットパンツ(価格:税込¥14300)との組み合わせはロングジョンを上下セパレートにしたような使い方ができて(ベスの裾丈が十分に長いため水の侵入が少ない)、これもなかなかに良さそうです。
ウェットパンツはカヤックにも良さそうです。
などなど魅力的なラインナップのCARVY製品。ご注文お待ちしております!