今年からIMAGINEの輸入が開始(正確には再開)されます。
発売に先立ち、IMAGINEのBULAに試乗する機会があったので、BULAについて紹介したいと思います。
IMAGINEは、マウイ島のレジェンドウォーターマンであるデイブ・カラマが大きく関わっているブランドで、このBULAもデイブ・カラマのシェイプした1本です。

デイブ・カラマは、レイアード・ハミルトンと並んでSUP・トーイン・フォイル・ウィングなど革新的なウォータースポーツのパイオニアです。
そして、デイブ・カラマのSUPサーフィンは、「これぞSUPサーフィン!」といったグライド感のある豪快で爽快感を感じるライディングで、個人的には私が最も好きなライディングスタイルです。
BULAについてざっと説明すると、IMAGINEのラインナップの中で最もベイシックな所謂オールラウンドタイプのモデルで、初めてのマイボードとしても最適ですが、それだけのボードではありません。
性能や機能、実際に乗ってみて感じた使い心地は、よくある初心者用ボードとは一線を画すもので、さすが様々なウォータスポーツに精通したレジェンドウォーターマンが作ったボードという感じがします。
その辺りを説明しますので、中上級者の人も「なんだ初心者用」などと見くびらず、最後までお読みいただけたらと思います。
概要


BULAには、10’6″と11’6″の2つのサイズがあり、各々にサーモフォームとバンブーエポキシの素材の異なる2種類があり、色も各々に2色あります。そして、今回試乗したのはサーモフォームバージョンの10’6″です。
サーモフォームはバンブーエポキシより重量は重くなりますが頑丈で、価格も抑えられています。
BULAは前デッキに6点のバンジーコード用アンカーポイント、後デッキにも6点のアンカーポイントがあり(バンジーコードも付属)、たくさんの荷物を積むことができます。
そして、サーモフォームバージョンはデッキ全面にデッキパッドが張り巡らされていますので、子供や犬を前に乗せたい人にも最適です。




写真のボードに付いているフィンは、実際に付属するフィンではありません。下の写真の2枚のフィンが付属します(付属のフィンをたまたま持ち合わせていなかったため付属品とサイズの近い別のフィンを付けただけで、意味があって違うフィンを付けたわけではありません)。※ フィンが2枚付属する理由は後述。


グラブハンドルは指で引っ掛けるだけでなく、掴めるようにもなっているタイプなので、水平状態で持ち上げる際も楽です。また、自転車用のワイヤーロックのようなものも付けられるので防犯対策にもなって便利です。


前デッキと後デッキ以外にも、ボードの中央を挟んで左右4箇所に細挽きやバンジーコードを固定できるアンカーポイントがあります。これを利用してシットオントップカヤック用のシートを取り付けることができるため、カヤックのように使うことも可能ですが、その他にもこのアンカーポイントは色々な用途に使えそうです。
ウィンドサーフィンやウィング用のボードとしても使用可能
BULAはウィンドサーフィンのリグを設置可能となっています。


そして、ボードの中央付近にもフィンボックスがあり、センターボードの代わりにここにもう一つのフィンを装着することができるようになっています。
ボード中央付近のもう一つのフィンボックスの役割


一般的にはウィンドサーフィンはセンターボードがあった方が楽に走れるようになりますが、普通のSUPのボードでウィングを使おう(練習しよう)と思った場合も、ボードがすぐに風下に向いてしまい、風に流されてなかなか思うようには行きません。しかし、ボード中央付近にもフィンがあれば横流れしにくくなり、ウィングを扱いやすになります。
そして、その先のウィングフォイルの練習の第一歩としてまずはこれで練習してみるというのも最善な手段になると思います。
スペック
素材はThermoformとBamboo Epoxyの2種類あり、サイズも2種類あり、重量は素材によって異なりますが、その他のサイズはどちらの素材も共通です。
Thermoform


LENGTH | WIDTH | THICKNESS | VOLUME | WEIGHT |
10’6″ | 32 1/4″ | 4 7/8″ | 207L | 32 LBS (≒14.5kg) |
11’6″ | 33 1/2″ | 5 3/8″ | 265L | 37 LBS (≒16.8kg) |
Bamboo Epoxy


LENGTH | WIDTH | THICKNESS | VOLUME | WEIGHT |
10’6″ | 32 1/4″ | 4 7/8″ | 207L | 26 LBS (≒11.8kg) |
11’6″ | 33 1/2″ | 5 3/8″ | 265L | 30 LBS (≒13,6kg) |
実際の乗り心地・使い心地
- まず最初に抜群の安定性を感じます。
- この安定感は初心者に安心で馴染みやすいだけでなく、釣りをしたり写真を撮ったりする際などにも大変重宝します。
- 今回試乗したサーモフォームバージョンの10’6″の重量は14kgを超えています。これは軽いシーカヤック並の重量なので、決して軽いとは言えません。しかし、パドリングタッチは決して重くなく、軽快とまでは言えないまでも、初心者やレンタル用の重いボードにありがちな鈍臭ささは感じられませんでした。そして、トラッキングも良いのですが、操作性も良く、大変扱いやすいボードと感じました。
- 湖などの平水面でリラックスして気持ちよくパドリングできることはもとより、高い安定性とトラッキングの良さのおかげで、ラフな水面での対応力も高いボードだと思います。
IMAGINEのウェブサイトのトップにある動画で気持ち良さそうに湖面をパドリングしているボードはBULAです(YouTubeにも同じ内容の動画があります)。この動画を観ていると、初心者用のボードというより、快適そうなツーリングボードですが、実際の漕ぎ心地もそうでした。
こういった特徴が、「よくある初心者用ボードとは一線を画す」と感じた点なのですが、まだ先もあります。
サーフィンもしてみました
「まだ先もあります」とは、このボードでサーフィンもしてみたことです。因みにこの試乗艇が届いてからまだ誰も波には乗っていなかったそうなので、図らずも私がこのボードで日本でサーフィンをした第一号になってしまったようです。
あいにく乗り手のコンディションは持病の左脚の調子が絶不調ではあったのですが、波は厚みと力もそこそこある腰サイズのメローな波で、海の方はサーフィンを試すのには絶好コンディションでした。
そんな条件で試してみたのですが、辛うじて波に乗ることもできるといったようなレベルなどではなく、思っていた以上に普通にサーフィンもできてしまうボードでした。
もちろんアグレッシブな動きができるようなボードではありませんが、ボードがデカすぎて全くコントロールができないなどといったようことはなく、普通にボトムターンができて、緩いトップターンも問題なく、脚の調子が絶不調でも十分に楽しめたので、かなり良いのではないかと思いました。
割れにくいテイクオフするのがちょっと厳しいような波でも少ししつこくパドリングしていればテイクオフできてしまい、思っていた以上にスーッと気持ちよく走り、ダラーっとロングライドできるボードです。
パドリングが楽なので、人の少ないところまで漕いで行くことも容易です。
割れにくい空いたところで頑張らずにリラックスしたサーフィンを楽しむのに最適なボードといった感じでした。
そして、安定性が高くて全面にデッキパッドが張り巡らせているので、犬を前に乗せて一緒にサーフィンを楽しみたい人などにも最適なボードなのではと思います。
価格について
アメリカ本国でのBULAの価格は、材質と長さに応じて$1099〜$1499となっています。
日本円での価格はまだ確定していないようですが、嬉しいことに上記の価格に近い価格設定にできそうとのことです。価格が確定しましたら、またお知らせいたします。
総評
レンタル用などにも使用されているような典型的な初心者用ボードに自分が乗りたいとは思うことはありませんが、このボードは自分も使用したいと思えるものでした。
具体的には、「運動不足にならないようにするための水上ジョギングのような使い方」「釣りの足」「思いがけずちょっと波があった場合もこれがあれば対応できる」などといったような日常的用途に最適で、そんな使い方に気軽で快適に使用できそうと思ったからなのですが、荷物の積載量が多いので、場合によってはキャンプツーリングにも十分対応できるということもあります。
実際に乗ってみて強く感じたことは、とにかく初心者から上級者までが様々な楽しみ方で使用できる非常にマルチパーパスなボードであろうということです。
初心者が最初に購入するボードとしてもイチオシですが、メインのサーフィン用やレース用、長距離ツーリング用などの他に持っておくもう1本のボードとしても最適で、或いは普通のサーフィンがメインの人が1本持つSUPのボードとしても最適だと思います。
などなど色々書きましたが、こちらの動画でデイブ・カラマ本人がBULAについて説明しています。乗ってみて感じたことや思ったことは、全くデイブ・カラマが言っている通り(この動画は後から観ました)でした。是非この動画もご覧になってください。きっと欲しくなると思います😊