僭越ながら私はred paddle co Japanのアンバサダーを務めさせていただいているのですが、今回は今年(2026年)の6月に刷新したばかりの自分用のred paddleのボード2本をご紹介いたします。
FUTUREシリーズ(MSL®800 MSL®1000)
私がこれから暫く愛用することになるボードは12’6″ SPORT+ MSL800と9’2″ COMPACT MSL1000の2本です。
どちらも最新のテクノロジーを採用したFUTUREシリーズに属するボードなのですが、まずはMSL®とMSL®800とMSL®1000について簡単に説明しておきます。
MSL®
MSL®はred paddle独自の技術によるインフレータブルボード用マテリアルで、この技術がred paddleの全てのボードに採用されています。MSLとはMonocoque Structual Laminate(モノコック構造ラミネート)の略称です。
Monocoque(モノコック):コーティングが構造の一部として一体化されていることを意味します。MSL®ドロップステッチ技術では、非常に耐久性の高い補強コーティングを超高密度織りの基布と一体化させ、切り離すことのできないベース層を形成しています。
Structural(構造): 高強度のドロップステッチ繊維は22psiを超える空気圧にも耐えられるよう設計されています。そのため、Redのボードはライダーの体重や水面コンディションにかかわらず、優れた剛性と高い安心感を提供するまで空気を充填することができます。
Laminate(ラミネート):補強複合コーティングは、熱と圧力を利用した機械溶着によってPVC内層を繊維コアに接着しています。この製法により、2kg以上の接着剤を削減できるだけでなく、外観上のムラや安全性に関する懸念も軽減されています。また、低い張力で製造されるため、ボードを膨らませた際にねじれ剛性(トーション剛性)を高める効果が生まれ、MSL®はより低い空気圧でも高い剛性を発揮します。
このように非常に耐久性が高く軽量なMSL®ですが、そこからさらに進化したのがMSL®800とMSL®1000です。
そして、MSL®800またはMSL®1000を使ったボードがFUTUREシリーズ、従来のMSL®が使われているボードはADVENTUREシリーズとなっています。
MSL®800
MSL®800は標準モデルのADVENTURE SERIESに採用されている通常のMSL®よりさらに軽量でありながら剛性が高く、驚異的なパフォーマンスを発揮し、上級者パドラーも満足する軽さ、速さ、コントロール性を実現しています。MSL®800は下記のボードに採用されています。
- SPORT 11.3
- SPORT 12.6
- SPORT+ 12.6
- SPORT+ 14.0
- ※ SPORT 11.3とSPORT+ 14.0には同型でADVENTURE SERIESのモデルもあります。
MSL®1000
MSL®1000はCOMPACTレンジ用のプレミアム軽量ドロップステッチ構造です。
標準モデルのCOMPACT(ADVENTURE SERIESのCOMPACT)も非常に軽いのですが、それよりも1㎏/㎡も軽量化に成功し、独自の工程と素材を採用することで高性能でありながらも生地の柔軟性が高く、驚くほどコンパクトに収納が可能となっています。MSL®1000は下記のボードに採用されています。
- COMPACT 9.2
- COMPACT 11.0
- ※ COMPACT 11.0には同型でADVENTURE SERIESのモデルもあります。
12’6″ SPORT+ MSL800

昨年まで私はツーリング用には歴代の13’2″ VOYAGERを長年(名称がEXPLOREだった最初期の頃から)愛用してきました。


また、12’0″ COMPACT(COMPACTで最大だったツーリングボード)も大変気に入って愛用していましたが、2026年は残念ながら製品ラインナップから消えてしまいました。
そして、今年はツーリング用に13’2″ VOYAGERからサイズダウンしてFUTUREシリーズの12’6″ SPORT+ MSL800を選びました。
大きさは、12’6″ x 28″ x 4.7″ x 252Lと、幅が狭めで、厚みはこの長さとしては薄めの4.7″(他社製品は大抵6″)です。
厚みが薄いことによる利点は、重心が低くなるため安定性が高いことと、風の影響を受けにくいことです。
しかし、厚みが薄いことで剛性が低くなってしまうのではと懸念されるかもしれませんが、全く心配無用です。
MSL®800と特許取得のRSS(Rocker Stiffening System)バテンにより、しっかりとした剛性が確保され、廉価品の圧力15psi以下、厚み6インチの10ftクラスのボードより高い剛性があります。
そして、シュッとした見るからに速そうなアウトラインですが、狭めの幅(28″)と水の流れを整えるスピードテイルが相まって、パドリングタッチは軽く非常に軽快で、爽快感のあるパドリングを楽しめるボードです。


フィンボックスは汎用性の高いUSボックスで、シングルフィンです。このフィンよりベース幅が広くないフィンであれば、他のUSボックスのフィンも取り付け可能です。
VOYAGERの13’2″(今年度当初13’2″はカタログからドロップとなっていたのですが、現在red paddleのウェブサイトを見るとVOYAGERは12’6″が消え、13’2″が復活しています)や14’0″はトラッキング重視で、小回りが利きにくいと感じることがありますが、このボードは取り回しが大変しやすく軽快に動かすことができ、それでいてトラックキングも良いので、あらゆる場面で大変使いやすく感じるボードです。
先程も書いた通り幅の割に安定性も良いのですが、より安定感を求める人には幅が30″の12’6″ SPORT(FUTUREシリーズ)や、もっと安定性を求めるなら幅が32″の11’3″ SPORT(FUTUREシリーズとADVENTUREシリーズ両方あり)があります。
また、よりスピードを求めるなら14’0″ SPORT+(これもFUTUREシリーズとADVENTUREシリーズ両方あり)があるなど、SPORTレンジはバリエーションが豊富です。
フォアデッキにはDリングが6点付き、バンジーコードが3本掛けられています。
red paddleは数年前からデッキに付くバンジーコードがフラットなタイプになっているのですが、普通のバンジーコードよりこのフラットタイプの方が荷物がより安定します。
また、いちばん手前側のバンジーコードはドリンクボトルホルダーとなっている部分があります。


ボトルを普通にバンジーコードに挟むと、ボードを持ち上げた時や波を被った際などにボトルが転がり落ちてしまうこともありますが、それを防げぐことができ、写真では他の荷物は積んでいませんが、他の荷物を積んでいてもボトルが安定します。
このドリンクボトルホルダー機能は一見地味ですが、現実的に非常に役立つ優秀な機能です。
また、後ろのデッキにもDリングが2箇所付いています(バンジーコードは付属なし)ので、荷物が多い場合はここにも荷物を固定することができます。


グラブループは普通に運ぶ時に使うボードのセンターと、ボードの前後各々にも付いています。
前後にグラブループがあると二人でボードを運ぶ際に便利ですが、それだけでなく、浅瀬でフィンが底をすらない程度にボードを持ち上げて水面を引きずりたい時や、荷物を積載したボードをビーチの上でノーズを支点にして向きを変えたい時などに、この後ろのグラブループが大変重宝します。
付属品は背負うこともできるホイール付きの収納バッグ・TITAN II ポンプ・USボックスフィン・コイルリーシュ・リペアキット・防水スマホケースなどで、パドルは好みのものを選べるように付属しません。


ボード本体と付属品全て含めた実測の重量は16kg代半といったところでしたが、ボード本体のみの実測値は9kgちょっとでした。
さすがMSL®800で、この長さのボードとしては驚異的とも言える軽さです。
逆にこの長さでこれ以上軽いと風の影響を受けて使いにくくなってしまいそうなので、これくらいが理想的な軽さなのではないかと思います。
12’6″ SPORT+ MSL800の価格は税込で¥286,000です。
ADVENTUREシリーズのSPORTは税込¥198,000〜¥231,000で、FUTUREシリーズのSPORTは税込¥275,000〜¥297,000です。
FUTUREシリーズは確かに軽さと剛性感の高さや張りの強さを感じますが、ADVENTUREシリーズもそういった面で大抵のインフレータブルボードより抜きん出たものを持っている最高レベルのボードです。
ADVENTUREシリーズに12’6″ SPORT+と同じ12’6″ x 28″ x 4.7″ x 252Lというサイズはありませんが、両方のタイプがあるモデルもあります。金額をセーブしたい場合はADVENTUREシリーズのSPORTやVOYAGERを選択するのも良いと思います。
このボードを選んだ理由
これまで私がVOYAGERを選んできた理由は、2泊以上のキャンプツーリングに必要な荷物を積載できる能力のある、最強のツーリングボードだからです。
しかし、今年からカヤックでの長距離ツーリングに復帰しようと思い立ったこともあり、SUPでのツーリングは、SUPならではの手軽さや軽快さをより活かしたスタイルのツーリングをメインにしようと考えるようになりました。
13’2″や14’0″のVOYAGERはデイツーリングでは些かオーバースペックと感じることが多かったのですが、暖かい時期に途中1泊キャンプする程度の距離に留めるならば、荷物の積載量は12’6″の細身のボードでも十分です。
また、陸上を転々と移動しながら良いところを選んでツーリングするような旅やフェリーなどを使って移動しながら旅をするのであれば、軽くボリュームが少ない方が膨らましたり畳んだりを繰り返すのも楽(ボリュームが大きいと億劫になってしまう)なので、そういった旅のスタイルにはあまり大きすぎず軽いボードの方が絶対的に有利です。
それどころか、VOYAGER(EXPLORE)を使うようになる前は、12’6″のツーリング用インフレータブルボード( Laird Standup・C4 Waterman・HALAなど)で3泊以上のキャンプツーリングをしていたので、12’6″より大きくなければできないことなど多くはないのです。
といったように考えると、12’6″ SPORT+や12’6″ SPORT辺りが最適そうだといった考えに至り、今年はこのボードを選んだ次第です。
長距離長期間のキャンンプツーリングにはやはりVOYAGERが頼もしく感じますが、「大は小を兼ねる」が当てはまらないこともあります。
「もしかしたらするかもしれない」ことより、具体的な使い方に照らし合わせ、それに最も合ったボードを選ぶことが重要と思います。



9’2″ COMPACT MSL1000

9’2″ COMPACT MSL1000はCOMPACTシリーズのサーフィン用のボードです。
価格は消費税込みで¥330,000です。
カーボンのボードのような価格(但しこのボードにはカーボンシャフトのパドルも付属します)でびっくりされる方も多いと思いますが、FUTUREシリーズで最大の14ftのVOYAGER(税込¥319,000)より高額でもあります。
しかし、このボードでしかできないことや魅力もありますので、これが本当に高価するぎるのか否かはこの先もお読みいただき、ご希望であれば試乗もしてから(Cetusでは試乗も承っていますので、ご希望の方はお問いわせください)判断していただけたらと思います。
価格については一旦置いておいて、私はインフレータブルボードでツーリングだけでなく結構サーフィンもしていて、これまで9’8″ RIDE、8’10” WHIP、10’2″ RIDEなどを使用してきました(意外とツーリング用の12’0″ COMPACTでのサーフィンも楽しかった)。
8’10” WHIPは8’10” COMPACTに、10’2″ RIDEは10’0″ RIDEにモデルチェンジしたような感じではありますが、基本的にこれらは全て廃盤となってしまいました。
9’2″ COMPACT MSL1000の説明の前に、これら過去のボードについて少し振り返ってみます。
因みにCOMPACTシリーズには9’6″というサイズもあります。見た目も一見大きな違いはないように見え、これでもサーフィンができないわけではありませんが、9’6″ COMPACTはより所謂オールラウンドタイプに振った性質のボードで、サーフィンをしてみると上に揚げたボード達とは結構大きな違いを感じます。
9’8″ RIDE
9’8″ RIDEは所謂オールラウンドタイプのボードですが、同じ RIDEのグループの中にあっても10’6″や10’8″とは意外と異なる部分が多く、10’6″と10’8″がRSSバテンなしで厚みが4.7″、安定性を重視した幅広のテールデザインであるのに対し、9’8″ RIDEはRSSバテンが付き厚み3.9″で、10’6″や10’8″より絞り込まれたテールデザインでした。
ハードボードはボードの部位によって厚みを変えることができて、レールの形状も部位によって変えることができますが、そういったことのできないインフレータブルボードをサーフィン用にするのなら、ボードの厚みは薄い方が絶対的に有利で、テールが絞り込まれているデザインの方が向いています。そしてもちろん高い剛性も必要です。
9’8″ RIDEはオールラウンドタイプのボードでしたが、こういった条件をクリアしていたので、結構サーフィンにも向いているインフレータブルボードだったということです。


そのため、「あまり長距離ではないデイツーリングをして、運が良ければ波も期待できるかもしれない」ような旅に持って行くのには最適なボードでした。


しかしこのボードは幅が31″あって誰にも乗りやすくて良いのですが、私には少し広めに感じられ(あくまで私個人にとって)、自分用にはちょっとそこが惜しく感じられるボードでした。
8’10” WHIP
8’10” WHIPは主な用途がサーフィン用として作られたiSUPとしては珍しいボードでした。ショートツーリングもできましたが、後期型は私が使用していた頃のものよりノーズが少し絞り込まれ、私には少し小さいと感じられるボードでした。


実質的な後継となった8’10” COMPACTはツインフィン(Whipはシングルフィン)という違いはありますが、形は後期型のWhipを継承しているような感じです。
10’2″ RIDE
9’8″ RIDEがなくなった後に登場したのが10’2″ RIDEで、その後どういうわけか5cm短くなって10’0″ RIDEに移行したような感じですが、どちらも幅は29″で、私にはちょうど良い感じでした。


10’2″ RIDEでも結構サーフィンを楽しませてもらいましたが、正直に言ってしまうと、願わくば長さは10ft未満(サーフィンでも長いボードは好きなのですがインフレータブルのサーフィン用として考えた場合はあまり細長くない方が好み)で、RIDEシリーズの固定式のフィンではなく、取り外し可能(交換可能)なフィンならもっと良いのにと思うこともありました。
満を持しての9’2″ COMPACT
そして登場したのが9’2″ COMPACT MSL1000です。
サイズは9’2″ x 29″ x 3.9″で、絞り込まれたテールとロングボードスタイルのラウンドノーズの組み合わせで、先程説明した最新の技術MSL®1000でできたボードです。
厚みは薄いのですが、特許のRSSバテンとクアッドストリンガー(剛性を高める帯状の補強)によって非常に高い剛性を得ています。
ここまで読んでいただいた方はお気づきと思いますが、「9’8″ RIDE、8’10” WHIP、10’2″ RIDEなどで私がちょっと不満に感じていた諸々」が、まるで聞き入れられたかのように(そんなことはないのですが)解決されていて、さらには非常に小さく畳むことのできるCOMPACT仕様で、しかもさらに軽く剛性の高くなった最新のMSL1000での登場です!!
私にとっては、「これに乗らなくてどうする」といったボードです。
ボードの重量を実測したところ、なんと7kgを切る軽さで、ボード本体の他に専用の5Pパドルやポンプなどの付属品全てをCOMPACT専用バックパックに収めた状態でも実測値はなんと13kg代半ばでした。


付属品や装備について
付属品はCOMPACTシリーズ専用のバックパック(ホイールなし)・TITAN II ポンプ・クリックフィン・コイルリーシュ・リペアキット・防水スマホケースと、この小さなバックパックに収まるCOMPACT専用の5分割アジャスタブルパドルも付属します。


付属の5Pパドル
付属の5Pパドルはこの高さの低いバックパックパックの中に収まってしまうので、移動時(特に飛行機で運ぶ際など)に大変便利です。


そして、モデルチェンジしてブレードの形がより現代的に進化していて、シャフトは結構高級感のある軽いカーボンシャフトに変更されています。
重量を実測したところ800gだったので、以前のタイプより150g程度軽くなっていました。
このパドルのナイロン製のブレードは大変丈夫なので初心者の最初のパドルとしてや、川や岩場で使うのには良いと思います。
しかし、ブレードだけの重量を測ったら、総重量の半分の400gありました。以前より軽くなったとは言え、ブレードが重いと取り回しが重く感じてしまいます。
ここからこのパドルについて、さらに少々ネガティブなことを正直に書いてしまいます。
そして、このボードはサーフィン用です。はっきり言ってしまうとサーフィン用として使うにはバランス的に優れているパドルとは言い難く、シャフトが良くなっただけに、ブレードの重さがより残念に感じられてしまいます。
例えばオプションでも良いので、軽いカーボンのブレードを選べたら良いのにと思います。現状そういったオプションはないので、私はこの軽い4分割シャフト(ブレードを除いたシャフトは4P)を活かすためにブレードだけ何か別のものに交換することも考え初めています。
また、以前にも書いたのですが、アジャスタブルではあっても5Pのパドルは長さを調節できる範囲が大きくありません。
長さを実測したところ、普通に5本繋いだ時の最短の長さが185.5cm(最長は208cm)、シャフトを1本抜いて4本継ぎにした状態の最長が167cmでした。
私自身には5本継ぎの状態で最短にすればサーフィンに使うのにも辛うじて問題なく、ツーリングに使うのには全く問題ないことになります。
しかし、男女合わせると身長が155cm〜170cmくらいまでの範囲に入る人が日本では最も多いのではないかと思うのですが、その身長範囲の場合、5本継ぎにしても4本継ぎにしても、サーフィン用には長すぎるか、ツーリング用には短すぎるようなことになってしまう(例えば身長170cmの人には185cmのパドルはサーフィン用には長めになってしまいますが167cmでは短く、身長160cmの人には185cmのパドルはツーリング用には長すぎで167cmでは短いと感じる長さです)か、或いは何に使おうとしても帯に短し襷に長し状態となってしまう人も現れてしまうような調節範囲です。
red paddleがイギリスのブランドだからというのは言い訳になりません。実はイギリス人もそんなに平均身長が高いわけでもない(男性175〜177cm、女性162〜164cmだそうなので、女性はこのパドルが合わない人だらけということになります)ようで、イギリスやおそらく最大市場の北米(多人種国家なので身長の高低差も大きい)でも合わない人は多いと思います。
しかし、これも簡単な解決策があります。中間の繋ぎのシャフト2本のうちの1本を少し短くすれば良いだけです。
私はそんなシャフトを自作したり、ご要望に応じてシャフトをカットしたりもしてきましたが、これもオプションで良いから1本だけ少し短いシャフトがあれば解決できることなので、是非ともメーカーで短い繋ぎのシャフトを用意してもらいたいものです。
フィン
フィンはツインフィンで、FCS互換のクリックフィンです。
COMPACTはボードを真ん中で折って畳むようになっている都合センターフィンを付けられないため自ずとツインフィンとなるのですが、インフレータブルボードをサーフィン用にする場合、ツインフィンは合っているようにも思います。


また、このフィンはRIDEの固定式のフィンより固く、バッグの中などで曲がってしまうこともない(曲がってしまってもお湯に浸けて戻すことが可能ですが)ので、はっきり言ってしまうと私はRIDEのフィンよりこっちの方が断然好きです。
そして、FCS互換なので、市販のキールフィンなどに付け替えることも可能なことも◎です。
但し、このフィンには脱落防止のピンがフィンに細い紐で括り付けられているのですが、これが解けてピンを紛失してしまうことがあります。
紐の縛り方が甘いことがある(たまに間違えてピンを刺す穴に紐が付けられていることもある)ので、私はこの紐が解けないように頑丈な縛り方で縛り直しています。
紛失してしまう人もいるので、このピンだけ在庫しておこうと思ったのですが、ピンだけの販売がないようです。これはメーカーとして不親切な対応で、かなり残念です。
COMPACTユーザーの皆様、このピンを絶対に失くさないように注意(頑丈な縛り方に縛り直して)してください。
グラブループ
ほぼ全てのインフレータブルボードには、ボードのセンター付近にボードを運ぶ時のためのグラブループが付いていますが、このボードはそのグラブループが取り外し式になっていて、ボードの右サイドの前後中心より少し前辺りに付け替えておけるようになっています。


これはサーフィンをしている最中に、足が引っ掛かるなどしないようにするための措置です。
実際サーフィン中にグラブループに爪先に入ってしまうようなことはあるので、大変良いアイディアだと思います。
しかし、そうするとボードを持ち上げにくくなってしまいますが、グラブループがある辺りのデッキパッドの片側が少し隆起していて、そこに指を引っ掛けてボードを抱えることができるようになっています。


この僅かな引っ掛かり部分だけでボードを持ち運ぶのは辛そうにも思えますが、ボードが非常に軽いので案外これだけで問題なくボードを持ち運ぶことができます。
100m以上歩くような場合や強風の場合などはセンターにグラブループを付けておいて波打ち際でグラブループを付け替え(リーシュを足に巻くようなタイミングで)、歩く距離が短い場合は最初からこの持ち方でも十分だと思います。
その他
付属するリーシュはストレートタイプではなくコイルリーシュです。
サーフィン用のボードと謳っているのにこれはいかがなものかと思います。サーフィンで使用するのであれば、結局ストレートリーシュを別途用意しなければならなくなるので、ここは少し気を回してもらいたいところです。
バックパックもよく出来ていて良いのですが、とても良いボードだったのに何故かドロップになってしまった12’0″ COMPACT(11ftのCOMPACTがFUTUREシリーズとADOVENTUREシリーズの両方に存在するのに何故12ftを削ってしまったのか本当に不思議)専用のバックパックの方が使いやすかったので、少々残念。
実際に乗ってみた感想
少々ネガティブなことも正直に書いてしまいましたが、ボード自体には今のところ全く不満などありません。
そして、ネガティブな意見は注意事項のような意味で一応書いたまでで、自分の工夫などで解決できることばかり(例えば私だったらパドルのシャフトは自分に合わせてカットすれ良いだけと考えるし、フィンのピンの紐の縛り方が緩そうと思えば最初から縛り直します)なので、本音を言ってしまえば個人的には何も問題など感じていません。
それはともかく、実際に乗ってみた感想です。
まだあまり良い波で存分にサーフィンを楽しめたわけではないのですが、8’10” WHIPよりリラックスして乗ることができ、9’8″ RIDEよりもっさりした感じがなく、ちょっと長いと感じていた10’2″ RIDEよりずっと動きが良いというところまでは実際に体感できています。これらは思っていた通りでした。
そして、剛性が高く重量が軽く、私にとって理想的なサーフィン用のインフレータブルボードであることは間違いなかったようです。
また、思っていた以上に安定性も高く、旧型の8’10” WHIPをショートツーリングに使うこともありましたが、それよりずっとツーリングにも楽な感じなので、思いの外マルチパーパスなボードだとも感じています。
ところで、インフレータブルボードでのサーフィンはハードボードと全く同様とは行かず、少々独特なところもあってハードボードとは違った乗り方やちょっとしたコツのようなものも必要です。
それを知らずに乗ると「なんだこんなものか」と思う人もいると思います。
中にはインフレータブルボードでサーフィンなど全否定するような人(おそらく乗ったこともないかコツを得るところまで乗っていない人達)もいます。
しかし、特性を知ってしまえば、「なんとなく波に押されるだけのようなライディング」だけではなく、十分普通にサーフィンを楽しむことができるようになります。
そして、こんなに小さなバックパックに詰め込んでどこへでも持って行けて、ショートツーリングを楽しめるなどいうようなことは、インフレータブルでなければできないことで、中でも特にこのCOMPACTシリーズはそういった意味で抜きん出た存在です。
お気に入りのハードボードで波に乗るグライド感は何にも変え難い魅力がありますが、9’2″ COMPACT MSL1000を自在に乗りこなせるようになったら、サーフトリップが楽で存分に楽しめる(波がよくなくてもツーリングを楽しめます)ことになります。
価格が高くても他では代えが効かないことができるのであれば納得できるとも思います。
そんなわけで今年は9’2″ COMPACT MSL1000を極めるためるに普段からなるべくこのボードでサーフィンをしたいと思っているのですが、このボードと今年から扱いを始めたTRAK カヤックにばかり乗っていたら他のSUPのボードに乗る機会が減ってしまいそうなことが個人的な懸念事項です。

