2023年RED PADDLEのニューモデル、RIDE 10’0″を使い始めて一月近く経ちました。
その間、普通のショートツーリングはもとより、台風2号3号のうねりも入ったため、オンショアの小波から胸くらいのサイズのグランドスウェルまで色々なシチュエーションでサーフィンを試すこともできました。
RIDE 10’0″に関する情報は今回が第二弾です。初乗りの時の情報はこちらをご覧ください。
ツインフィンに関して(その後の感想)
RED PADDLEの最もスタンダードでベイシックなレンジであるRIDEレンジは、21年モデルからそれまでのトライ(3本)のオンフィン(ボードに固定されていて、外せないフィン)からツイン(2本)のオンフィンに変更になりました。
これが普通にパドリングしている時は全く違和感がなく、収納バッグへの収まりも良くて大変具合が良いのですが、「2023年ニューモデル RIDE10’0″初乗り」でも少し触れた通り、波乗りをした場合には少々クセのようなものがあるのを感じていました。
台風2号の時は、力のある波の斜面ではテールがスライドしてクルマのドリフトっぽい感じになるような時もあるなど、コントールの仕方に戸惑いを感じるような場面もあり、USボックスを付けてセンターフィンを付けられるようにしてしまうことなども考えていました。
しかし、次の台風3号でちょっと掴んだ感じがしています。
このボードは、ボードの中心近くに乗ったまま緩りとコントロールするような乗り方は全く合っていなくて、ざっくり言えば後ろ足をなるべくフィンの真上近くに置き、フィンにしっかりと力を加えるような、よりフィンを意識した感じの乗り方が合っているようです。
インフレータブルボードでのサーフィンの基本はそうだと自分でも前々から言っていたことなので、何を今更といった感じでもあります。
しかし、このボードではそれがより顕著に表れるというか、逆にフィンを使う効果がより大きく表れるボードであり、フィンを使うことで動きがスムースになることを明白に実感できるボードのように思います。
そういった特性を把握してくると、差し当たり整った胸サイズ程度の波なら浮き袋などとは言わせない普通のサーフィンができる(撮ってくれる人がいなくて写真がないのが残念)程度までにはなり、台風3号の波はこのボードで十分堪能することができました。
もちろんリジッドのお気に入りのボードと同じようにライディングができるわけではありませんが、しっくりくるようになってくると、もっと乗りこなせるようになることが楽しみになってきます。
背負えるバッグの中に収まるボードでツーリングも波乗りも全て快適にこなせるなんて、考えただけで楽しいことです。
SUPの原点に立ち返り、尚且つたためるようにしてしまったようなボードなのではと思います。
センターフィンを付けようなどと逃げに走らず、今年はお気に入りのリジッドのボードに乗る機会も極力減らし、なるべくこのボードでサーフィンを楽しみながら、さらに理解を深め、もっと乗りこなせるようになろうと思っています。
意外に安定性が高く速い
RIDE 10は幅が29インチです。当然幅は広い方が基本的には安定性が増すわけですが、レースボード以外のインフレータブルボードで幅が30インチ未満なのは数少ない存在の一つです。
幅が32インチのCOMPACT 12(幅の違いは約7.6cm、長さの違いは約61cm)と並べると、写真の撮り方のせいもあるかもしれないのですが、ご覧の通りかなり細っそりして見えます。
RIDE 10の誕生が発表された当初、個人的には程々に長さがあり(10フィート)、幅が細め(29インチ)で、厚みが薄い(3.9インチ)このスペックに大きな興味と期待感を抱いていました。
しかし、そういった主観的な視点とは逆に客観的な視点で考えると、RIDEレンジの基本コンセプトは、「オールランドタイプで誰にでも乗りやすい」ことだと思うので、これでは難しいと感じる人も少なくなくなってしまうのではないかと、この幅の狭さについては結構思い切ったことをしたものだと思っていました。
そして、スピードに関しては幅が狭くて長い方が速いというのが基本的な法則です。スピードは期待通りで、これまでのRIDEの中で一番速いことは間違いと思います。
安定性に関しては、オンショアの風で面の凸凹した海面で波待ちをしているときなども思いのほか楽で、少なくとも私(体重80kgオーバーで、片足の機能と感覚に問題あり)には予想を遥かに超えた安定性が感じられ、良い意味で少しびっくりしました。
その理由が幅の広いボードの絶対的な安定性と違い、バランスをとりやすいからなのかもしれないのですが、基本的な技術を習得している人であれば、乗りやすい、扱いやすいと感じる人は多いと思います。
試乗
RIDE 10’6″やSPORTレンジのように、乗ってみなくても(当店にはRIDE 10’6″の試乗艇もありますが)口頭や文章の説明で概ね大丈夫と思うボードもありますが、実際に乗ってみてもらいとか、乗ってから決めていただきたいと思うようなボードもあります。
街中で商品を並べたお店と当店の違いというか、当店の大きな利点は、商品を見るだけではなく、随時試乗していただけることです。
そして、試乗会のようなイベントとの大きな違いは、他の人に気兼ねすることなく、ご希望の日にじっくりと見て触って使ってみることができることです。
また、TITAN II PUMPやATB TRANSFORMER BOARD BAGなど、実際にポンピングしてみたり、背負ってみたりするなど、付属品にも実際の使い心地を体感していただきたいものがあります。
それで、実際に試乗してもらいたいと思うボードの例を挙げると、COMPACT 12、VOYAGER 13’2″、RIDE 10などが真っ先に思い浮かぶのですが、これらは特に自分のお気に入りになっているボードでもあります。
COMPACT
COMPACT(COMPACT 12に関してのレポートは今のところ1〜3まであり、「RED PADDLE COMPACT どの長さを選ぶ?」というタイトルのレポートもあります)は、乗り心地はもちろんですが、収納を体験(収納方法のコツなどもレクチャーします)し、収納した際の小ささや専用バッグの使い心地や背負い心地も是非体験していただきたいモデルです。
VOYAGER 13’2″
V-Hullやスピードテイルを備えたVOYAGER 13’2″には、やはり見ただけでは他のボードとの違いがわからないところが多々あります。是非実際にパドリングをして、魅力を体感してから決めていただきたいボードの一つです。
RIDE 10
RIDE 10は、スペックの数値を見ただけではわからない安定性があるようなことを先程書きましたが、例えばRIDE 10’6″のような絶対的な安定性の高さとは違い、人によって感じ方が大きく変わる可能性もあるボードです。
凄く気に入ってもらえる人が多いとは思うのですが、例えば、想像していた安定性とは違うと言われてしまう人もいそうな微妙さもあります。
なので、カタログやウェブサイトを見て魅力を感じた人にも、試乗することをお薦めしたいボードです。
試乗サービスのご利用方法
試乗に関してはインレターブルボードのページに説明があります。
RED PADDLE愛用者の運営するこのサービスを是非ご利用ください。
RIDE 10’0″に関する情報は今回が第二弾です。初乗りの時の情報はこちらをご覧ください。