今日はパドルをいじりまくっていたらほぼ一日終了しました。
化粧直し
これは今日のことではなくて、数日前の話なのですが、HIPPOSTICK MANA SIZE-IT(SIZE-ITはアジャスタブルの名称)を2本入手しました。
中古が2本出ていたので2本とも仕入れてしまったのですが、1本はほぼ買い手が決まっています。
そのうちの1本は比較的キレイな状態だったので、ほぼご購入が決まっている人用にしたのですが、もう1本は欠けたりはしていないけどブレードの表面などに擦れた跡などが結構あったので、販売するにしても備品として使用するにしても、クリアの塗装をして化粧直しをすることにしました。
所々クリームみたいなのが付いていますが、これはコンパウンド。塗装する前に少しコンパウンドで磨きました。
その後にパーツクリーナーで汚れや油分を除去してからクリアのスプレーを吹くのですが、その過程は気付いたら全然写真を撮っていませんでした。
そのため途中経過はなく、塗装し終えた状態が下の画像です。
敢えて光沢のある塗料ではなく、少しざらついた感じになるマットなクリアの塗料をスプレーしました。
写真で見るより現物の方が良い感じに見えます。スプレーは薄めに2〜3回に分けて吹きつけていますが、一度に厚塗りは絶対に禁物。時間はかかっても乾いてから重ねた方が綺麗に仕上がります。
これがブレードを化粧直しした後の全体像。
お気付きと思いますが、このパドルはアジャスタブルのグリップ側のシャフトが異様な程に長いんです。
こんなに長くなくても良いと思うのですが、これ以上伸ばして使うなという部分から先が37cmもありました。一般的には、その部分はそんなに長くありません。例えばRED PADDLEのパドルの場合は残り12、3cmをマックスラインにしています。37cmは少々大袈裟かと思います。
それでも、その余分な部分が長い方が折れたりする可能性が低くなるので、大事をとってそれは良いとしても、そのマックスのラインまで目一杯伸ばすと全長が2.2mにもなります。
しかし、このMANAというモデルはHIPPOSTICKの中で一番ブレードが小く、シャフト径も21mmの細いタイプです。身長2mの人が使うようなタイプのパドルではありません。
少なくも20cmはただ無駄なだけです。
いや、これを販売するとしても身長190cm以上の人にMANAを薦めることはないし、備品として使うとしても、そんな高身長の人に使ってもらこともあり得ないので、小さく見積もっても30cmは無駄なことになります。そしてその無駄に長い分は無駄に重量が嵩むだけです。
なので、最低30cmはカットしてしまうことにしました。
ところがそこで魔改造を思いつきました。そのカットした約30cmを中間の継手部分に使って、3分割パドルにしてしまうという案です。
因みにカットした部分の重さを測ってみたら、約50gありました。
今回はカットした部分は改造に使うので軽くはなりませんが、普通の身長の人(元々MANAは普通かどちらかと言えば小柄な人向けのパドルです)がMANA SIZE-ITを使うのであれば、最低でも50gは軽くすることができるということでもあります。
シャフトのカット
MANAの改造でシャフトをカットするついでに、何故か他のパドルのシャフトもカットしてしまおうと思い立ってしまった(ついでという程のことのでもないので、別の日でも良かったのですが)ため、タイトルの通り今日はパドルをいじりまくる日になってしまったのですが、MANAのシャフトのカットより先に以前から少々気になっていた他のパドルのシャフトをカットすることにしました。
最初に手をつけたのが、何年か前のRED PADDLEの3Pアジャスタブルパドル。自分用と言うより、主にお客さんに使ってもらうためのパドルです。
上の写真はそのパドルの中間シャフトのブレード側のシャフトと繋ぐ部分です。
アルミテープが巻いてありますが、本来はこの部分は下の写真と同じようになっていて、一旦スプリングボタンで繋いでからカムロックで締め付けて固定する(この写真はカムロックのレバーを開いた状態)ようになっています。
ところが、このパドルはそのカムロックが壊れてしまいました。
しかし、このタイプはカムロックで締め付けるようになっているため、メス側になる中間シャフト(ブレードの付いている側にインサートのシャフトが付いている)にはスリットが入っています。
そのため、スプリングボタンで繋いだだけでは力が加わるとスリットが開いてシャフトの径が広がってグラグラしてしまいます。
それで、スリットが開かないようにアルミテープを巻いて使っていたわけですが、実際のところこれで何も問題なく使えていました。
と言うより、スプリングボタンで繋ぐタイプの普通のカヤック用の2Pや4Pのパドルにはカムロックなど付いていなくて、それを長年ずっと使ってきたため、むしろこの「メス側シャフトのスリット+カムロック」にそんなに意味があるのだろうかと多少違和感を感じていた程です。
ならば、そのスリットの入っている部分をカットしてしまえば径の広がりを抑えるためのアルミテープも要らなくなります。
そして、そもそもこのパドルと言うか、RED PADLEの標準タイプのパドルは全長が長めで、このパドルも最短にした状態で180cmあります。
要するに比較的長めの設定でも身長160cm程度が最低ラインになってしまいます。全長を最短にしても身長が160cm未満の人には少々長すぎてしまうことになるわけです。
それで、定規を当ててみた様子が一つ前の写真ということなのですが、オレンジのラインの辺りでちょうど10cmくらいです。
ここでカットしてしまえば、スリットが入った部分もなくなります。
10cmカットすれば身長150cm少々くらいの人にも対応できることになりますが、自分で使うことを想定しても、最短で170cmなら身長より短くすることもできる(私の場合は短くても身長と同じ程度ですが)し、私がツーリングで使う標準の長さは身長+15cm程度なので、グリップのシャフトを20cm出すだけ済みます。
それでもこのシャフトはマックスで42cm出して良い設定なので、身長190cm以上でも十分対応できることになるわけで、それだけあれば上等です。
そして、シャフトをカットしたら当然スプリングボタンの穴も開け直さなけれならなくなります。
この穴の位置がピッタリ合っていなければ、シャフトを繋いでもスプリングボタンが穴に届かないか、逆にシャフトとシャフトの継ぎ目に隙間ができてしまいます。穴が大きければシャフトを繋いでもガタガタしてしまいます。
かなり正確な工作が必要です。
そこでネタをバラすと、先にスプリングボタンの穴を開け、後からシャフトをカットします。正確な穴の位置決めより、シャフトをカットする位置の方が正確に調整しやすいからです。
当たり前ですが、いきなり直径9mmもある穴を開けるわけには行きません。上の写真は下穴を開けている様子です。
その後にスプリングボタンの頭に合ったサイズの穴を開けるのですが、カーボンのシャフトには、普通にホームセンターで入手できるビットなら、色々試したところ竹用が一番良いように思います。
そして開けたから全く正確に元と同じ位置になるようにシャフトをカットします。
パイプカッターを使うと正確な位置決めがしやすく、真っ直ぐに切れます。
しかし、最後までパイプカッターに頼るとシャフトが割れたりささくれたりすることがあるので、ある程度までパイプカッターで切ったら、ノコギリに切り替えます。
パイプを回しながら、あらゆる方向から徐々に切って行くのですが、20年以上愛用しているこのSTANLEYの工具箱の蓋の部分には溝があって、こういったパイプを扱う作業に大変便利です。
これが正しい工法なのかは知りませんが、私はこうやってパイプをカットしています。
そして、スプリングボタンの穴開けとシャフトのカットが終わり、繋いでみるとご覧の通り。
ちょうどオレンジのラインも入っているので、繋ぎ目がわからない程に仕上がっています(ご満悦)。ガタつきなども全くなし。
というところで、本日はもう1本別のパドルのシャフトもカットして、先程のMANAの改造の続きもあって、お客さんからお預かりしていたジョイントの抜けなくなってパドルを抜く作業などもしたのですが、これ以上書くと長くなりすぎるので、今日はここまでにします。
明日は横浜の病院の通院日(検査の日)なので、この続きは気が向けば明日横浜から帰ってから、または明後日になります。