こちらの記事でTAHE OUTODOORS BREEZE FULL HP1の試乗艇の到着を報告しましたが、組み立てから初乗りしたところまでの動画を作りました。
組み立て
組み立ては至って簡単です。
BREEZE FULL HPは左右の舷側とフロア、各々独立した3つのドロップステッチ素材のエアチャンバーで構成されています。
最初にフロア、次に右または左の舷側の順にポンプで空気を入れていけば、もう殆ど出来上がりで、後はシート・フットレスト・スケッグなどをつけていくだけです。
付属のポンプはダブルアクション(押した時も引いた時も空気が入る)とシングルアクション(押した時のみ空気が入る)の切り替えができます。
最初はダブルアクションにしておき、圧が高くなってレバーの引き上げが重くなってきたらシングルアクションに切り替えます。
インフレータブルSUPは15〜18psiほどの圧力まで空気を入れますが、BREEZE FULL HPの規定空気圧は8psiです。
インフレータブルSUPの半分程度の空気圧なので、ポンピングはインフレータブルSUPよりずっと楽です。
しかし、それでは空気圧が弱くて柔らかいのではと思われるかもしれませんが、パネル3枚が立体的に組み合わさるため、この空気圧でしっかり硬いボートに仕上がります。
縦方向に3本アルミのフレームの入るFeathercraftのAirLine(Folding Sit-On-Top Kayak)より断然硬く、乗っていても全然しなるようなことはありませんでした。
また、船体布は水分を吸収しないPVC生地であるため、タオルなどで拭いただけで殆ど乾いてしまうので、撤収も大変楽でした。
動画
箱の開封から組み立てまでは、頭にGoProをつけて撮りました。
パドリング中は、フローティンググリップをPFDの胸ポケットに差し込んで撮っています。
カメラの向きがイマイチな場面もありますが、ご勘弁ください。
初乗りの感想
インフレータブルカヤックというと、波でしなったりボヨンボヨンするようなイメージもあるかと思いますが、BREEZE FULL HP1は全くそんなことがありません。本当にしっかりとした剛性感があります。
また、全長が3.5mと短めですが、スケッグの効果で大変トラッキングが良く、進路がフラフラするようなことなどなく、楽に真っ直ぐ進みます。
この長さですから、もちろん凄く速いわけではありませんが、パドリングタッチは軽く、軽快に進みます。
普通にのんびりデイツーリングを楽しむのにはスピードも全く十分です。
小柄なので、もちろん小回りも得意です。その辺りはビデオの中で岩場を通り抜けているシーンがありますので、操作性の良さがお分かりいただけるかと思います。
フラットボトムで全幅も85cmと広くて安定性も高いので、初心者でも安心して乗れると思います。
しかし、幅が広くて普通のカヤックよりガンネルが高いため、自ずとシャフトが寝かし気味のパドリングになります。
このビデオの中で使ったパドルは長さが220cmのもの(一番多用しているパドル)だったのですが、230cmか235cmくらいあったほうが良いような感じでした。
また、シートの厚みがそんなにあるわけではないので、座ると足と尻がほぼ同じ高さになります。シットオントップカヤックでよく見かける光景ですが、腹筋のない人やあまりに腹がつかえてしまうような人は上体が仰け反ったような姿勢になりやすいと思います。
シートの高さを上げると、仰け反った姿勢になりやすいような人は安定感に不安を感じるかもしれませんが、少し腰高になっても安定性に問題を感じない人であれば、シートの高さを少し上げると、パドルを前に出しやすくなってシャフトも立てやすくなり、腰も楽になって良いと思います。
折りたたみ式の小さなスツールに正座座椅子のようなスタイルで座り、シングルブレードのパドルで漕ぐとパドルを前に出しやすくてシャフトも立てやすく高効率で、腰への負担も低く、個人的には低いシートに座ってダブルブレードのパドルで漕ぐより、その方がむしろ快適でした。
しかし、このビデオの中で使ったSUP用のアジャスタブルパドルは、ダブルブレードのパドルとは逆で、最短にしても少し長すぎでした。
ダブルブレードからシングルブレードのパドルへは途中水上で切り替えたのですが、床がフラットで広いため、体も自由に動かすことができて、そういったことも楽に行えます。
釣りの道具も広げやすく、竿やタモも色々な方向へ向けやすくて、釣りにも使いやすそうですが、フックや鋭いヒレから守るため、釣りをするときには一応フロアにシートなどを敷いた方が良いかもしれません。
広く平らなフロアはフィンの脱ぎ履きなどもしやすく、シュノーケリングの足にも良さそうです。
下半身が同じ姿勢で固まったままにならないので、脚の血行が滞りにくいことも良いと思いました。
試乗承ります
BREEZE FULL HP1とHP3が只今セール価格になっていますので、こちらの記事もチェックしてください。
実物を見てみたい、乗ってみたい方は試乗も承りますので、メールでお問いわせください。
但し、この試乗艇はTAHE OUTODOORSさんからの借り物ですので、いつまでもあるわけではありません。
試乗をご希望の方はお早めにご連絡ください。
追記(24年10月)
BREEZE HP1の試乗艇は返却してしまいましたので、現在HP1の試乗を承ることはできませんが、BREEZE HP3は当店で所有していますので、BREEZE HP3はいつでも試乗可能(予約は必要です)です。