昨年までは前年の末頃に翌年のモデルをご紹介していましたが、今年は遅くなってしまいました。
2023年モデルのVOYAGER 13’2″のご紹介です。
RED PADDLEのVOYAGERレンジは2019年にそれまでのEXPLORERからVOYAGERに名前が変わり、2021年にフルモデルチェンジに近い大きな変更がありました。
今年は20-21年、21-22年程の大きな変更点はありませんので、今回は2022年モデルから変更のあった点のみご紹介します。
VOYAGER 13’2″の主要については上の投稿ページ2件をご覧ください。
また、7代前となる2016年モデルのEXPLORER+ 13’2″が手元にあったので、乗り比べてみることを思いつきました。その様子などもご紹介します。
脱着可能になったサイドのグラブハンドル
VOYAGERには元々中心と前後と左右両サイド、計5ヶ所にグラブハンドルが付いています。
サイドのグラブハンドルは、サイズの大きなボードは持ち上げる時に便利ですが、特に荷物を積んで重たくなっている時に重宝します。
そして、この左右両サイドにあるグラブハンドルが、2023年モデルでは取り外し可能となりました。
取り付けはベルクロ®で三重にロックする仕組みなので、重量にもしっかり耐え、不用意に外れてしまう心配はありません。
20233年ニューモデルのCOMPACT 8’10″(実質WHIPの後継)のセンターのグラブハンドルも、これと同様に外せるようになっています。
確かにサーフィンをしていると、足がグラブハンドルに引っかかったり、グラブハンドルを踏みつけてしまったりすることがあるので、WHIPの後継のCOMPACT 8’10″には多いに意味のあることだと思います。
しかし正直なところ、両サイドのグラブハンドルを外したいシチュエーションが、私はまだ思い浮かんでいません。
若干乾かしやすくなるかなあとは思うのですが、むしろ外して失くしてしまう心配の方が大きいようにも思います。
外せるようになって便利になったとか、良かったと思うようなことがあれば、また報告します。
また、VOYAGERで脱着式になったのは左右両サイドのグラブハンドルのみです。それ以外は固定されています。誤解のないように。
V-Hull
2021年からVOYAGERはノーズ部分がV-Hullになりました。
インフレータブルボードのボトム面は通常フラットな形状となりますが、ノーズのボトムをV状にする画期的な技術です。
V-Hullとなる以前はノーズランナーフィンをつけてノーズが横に流れるのを防いで直進性を高めていましたが、V-Hullにすることによって、水をスライスするような動きが格段に高まっています。
実は何か見た目に微妙な違和感を感じながらも、自分で撮った写真を見てから気付いたことがありました。
21年モデルも22年モデルも上の2枚の写真の通り、V-Hull + ノーズランナーフィンだったのですが、23年モデルは下の写真の通り、ノーズランナーフィンがなくなり、V-Hullのみとなっていることです。
ノーズランナーフィンは直進性が非常に向上しますが、曲がりたい時に少し引っかかるような多少のクセを感じることがあります。
そのクセを感じるのは、主に波に乗った時や波風ある時です。
「V-Hullのみで十分、ノーズランナーフィンまであると直進性が強すぎて回りにくい。」といった結論にでも達したのでしょうか?
23年モデルは、まだ静水面でしか乗っていないので、ノーズランナーフィンがなくなったことによる大きな違いもまだ感じていないし、確かな理由はわかりませんが、よりナチュラルな操作性になっているのではと思います。
そして、V-Hullの効果が健在であることは体感していますので、心配は無用です。
デッキパッド
VOYAGERに限らず、RED PADDLEは毎年デッキパッドのデザインが変更されています。
そして、それが微妙な年もあれば、大きく変わる年もあります。21年22年はデッキパッドの前側が斜めにカットされた左右非対称のデザインでしたが、今年は左右対称にカットされたデザインになっています。違いはその程度で、デッキパッドに関して大きな変更はありません。
それとは別ですが、RED PADDLEのデッキパッドは、ただ絶着材でペタッと貼っただけでなく、高圧をかけてボードに圧着されているため、ボードとの一体感が強く、非常に剥がれにくいのが大きな特徴です。
新旧VOYAGER(EXPLORER) 13’2″を乗り比べてみた
冒頭でも書きましたが、RED PADDLEのVOYAGERレンジは、2018年モデルまではEXPLORERで、2019年モデルからVOYAGERへ名称が変更されています。
私が使い始めたのも確か2016年モデルからなのですが、ちょうど中古で売りに出ている2016年のEXPLORER+ 13’2″をお預かりしているところだったので、それをお借りし、V-HulllとSpeed Tailの有無、シングルフィン + リアランナーフィン対ツインフィンの違いなどを、違いのわかりやすい静水面で乗り比べて試してみることにしました。
YouTube動画を作ってみました
動画を観ても体感している本人ほど違いを感じることができないと思いますが、臨場感やVOYAGER 13’2″の爽快感はなんとなく伝わるビデオになっているのではと思います。
V-Hull, Speed Tail, Twin Fin
7年半前に最初にEXPLORER+ 13’2″に乗った時は、本当に素晴らしい最強のツーリングボードだと感じたもので、今でも十分高性能と思います。
しかし、こうして同時に乗り比べてみると、漕ぎ出してすぐ明らかにスピードもトラッキングも安定性も向上していると感じました。
やはりV-Hulllか否かは、水の切れ方が大きく違います。静水面で乗り比べるとその違いはビデオで見る以上に明白です。
ノーズから切り分けられた水の流れが綺麗に見えて、実際のスピードも違うと思いますが、体感的にスピード感がよりアップしているように思います。
Speed TailはV-Hulllのように見てわかる感じではない(カメラを後に設置しておけば引き波の様子が違って見えたかもしれませんが)のですが、やはりこうして乗り比べてみると、水の引き摺りが減少していることが感じられました。
ツインフィンに関しては、シングルフィンでも十分安定性は高いと感じていましたが、今回ではなく、荒れた水面で安定感が増していることを実感していました。
そして、その効果は後に荷物を積んでいる時により顕著に表れます。
また、静水面で乗り比べると、シングルフィン + リアランナーフィンより明らかにトラッキングが高まっていることも感じます。これは長時間・長時間のパドリングに有利です。
そして、それでいて曲がりにくくて操作性が悪いと感じることもありません。
ツーリングボードにUSボックスのツインフィン、フィンを別のものに交換することもできるし、なかなかに合理的な組み合わせと思います。
RED PADDLEは毎年大小何かしら改良を加えていますが、長さ・幅・厚み・アウトラインなどのディメンションは変わっていないのに、結構変わるものだというのが、今回乗り比べてみた感想です。
毎年確実に進化を遂げているRED PADDLEです。
22年モデルと23年モデルの違い
他の投稿でも何度か書いていますが、世界的な材料費の高騰、材料不足、輸送費の高騰、円安など悪条件が重なり、2023年は他のメーカーも含め、残念ながら大幅な値上がりがあり、全体的に新製品は品不足気味です。
そんなこともあり、今年度RED PADDLEは在庫のある限り22年モデルも継続販売します。
主な違いは3点+1
VOYAGER 13’2″の22年モデルと23年モデルの違いをまとめると、「脱着可能になったサイドのグラブハンドル」「V-Hullからノーズランナーフィンの撤去」「デッキパッドのデザイン変更」の3点です。
もしかしたらこの3点以外にも細かな違いはあるのかもしれませんが、目につくところこの3点です。
デッキパッドのデザインの変更は特に使い心地に影響のない部分です。
サイドのグラブハンドルに関しては、先程書いた通りで、正直言って私は今のところ特に大きな利点を見出せておりません。
23年モデルは、まだ静水面でしか乗っていないので、V-Hullからノーズランナーフィンがなくなったことによる大きな違いを感じていない(というより自分で撮った写真を見て微妙な違和感を感じて、ないことに気付いた程度)のですが、前述の通り、波に乗った時や、波風ある時に乗ると、操作性の違いを感じると思います。
しかし、もう一つ大きな違いがあります。
価格です。
価格
22年モデルのメーカー希望小売価格:税込¥209,000
23年モデルのメーカー希望小売価格:税込¥278,300
そして、上記はメーカー希望小売価格ですが、当店の実売価格は22年モデルの方が値引率も高くなっていますのでさらにお買い得です。
22年モデルは保証期間が5年から4年に1年減りますが、この価格差は見逃せないものと思います。
1年間の補償の長さやサイドのグラブループが脱着式になったことに魅力を感じた人、またはVOYAGER或いはEXPLORERに乗った経験があるなどで、ノーズランナーフィンがないほうが良さそうと感じた人は23年モデルを、それ以外の人は22年モデルがお買い得でお薦めです。
その他、ご質問等ございましたら、こちらのページのフォームからメールでお問い合わせください。
インフレータブルSUPは製品のカテゴリーとして定着し、現在は数多くのブランドが乱立しているような状態になっています。
価格もピンからキリまでといったような感じで、価格・品質共に現在両極下が進んでいる状態でもあります。
大手の通販サイトを見て、インフレータブルSUPの価格の相場はこんなものだと思っていた人がVOYAGERの価格を見たら、信じ難いと思うかもしれません。
とは言え、例えば自転車・自動車・腕時計などの価格差と比べたら、インフレータブルSUPの価格差などカワイイものでもあります。
インフレータブルSUPの価格差は大きくてもせいぜい10倍程度ですが、自転車・自動車・腕時計などの価格差は、10倍など序の口です。
2万円でしっかり実用性のある自転車もありますが、20万円の自転車はまだ高級車の部類になど達してはいません。
そして、性能的には高級品と全く引けを取らないコストパフォーマンスの高い腕時計が存在しますが、100倍以上の価格差があるのはザラです。
自動車も似たようことが当てはまります。
しかし、VOYAGERの1/10の価格の、少し言葉は悪いですが所謂安物のインフレータブルSUPは安物でしかなく、全くの別物です。性能も耐久性もまるで違います。
ある程度コストパフォーマンスが高いと感じるインフレータブルSUPもありますが、総じてやはり価格なりと思います。
SUPは命の関わる遊び道具です。初心だから安物で良いなどということはありません。信頼のおけるメーカー品を選んでください。体験できる楽しさも全然違うと思います。
インフレータブルSUPは製品のカテゴリーとして定着し、現在は数多くのブランドが乱立しているような状態になっています。
価格もピンからキリまでといったような感じで、価格・品質共に両極下が進んでいる状態でもあります。
大手の通販サイトでインフレータブルSUPの価格の相場はこんなものだと思っていた人の中には、VOYAGERの価格を信じ難いと思う人がいるかもしれません。
とは言え、例えば自転車や腕時計の価格差と比べたらカワイイものでもあります。
しかし、少し言葉は悪いですが、一見似て見えても所謂安物は安物で、安物のインフレータブルSUPとRED PADDLEとの格差は、安物の自転車や腕時計と高級品との違いと比べようもないほど大きなものです。