
MAGINE CROSSOVER 12ftを購入して以来、サーフィンにも釣りの足にもここのところこれにばかり乗っていて、これがあまりに楽で快適なため、普通のサーフィン用のSUPボードに乗れなくなってしまうのではないかという危機感を感じている今日この頃です。
大変気に入ってしまったCROSSOVER 12ですが、IMAGINEのボードはCROSSOVERだけでなく、MAGINEの中で最もベイシックなBULA 10’6″も講習などで使用する備品用として購入していたので、最近自分でも数回使ってみました。
今回はそのインプレッションなどをお伝えしようと思います。
BULA 10’6″導入前のファーストインプレッションの記事はこちらです。
便利機能満載のボード
BULAには、10’6″と11’6″の2つのサイズがあり、素材はサーモフォームとバンブーエポキシの2種類があり、色も各々にブルーとオレンジの2色があります(全4パターン)。
輸入元の試乗艇がサーモフォームのブルーで、自分用のCROSSOVER 12ftがバンブーエポキシ(サーモフォームバージョンがあるのはBULAだけ)のブルーなので、備品用のBULAは10’6″ サーモフォームのオレンジにしてみました。


サーモフォームバージョンはバンブーエポキシより重量は重くなりますが、頑丈で価格も抑えられています。
全面に張り巡らされたデッキパッド
サーモフォームバージョンは頑丈なだけでなく、デッキ全面にデッキパッドが張り巡らされているのも大きな特徴です。
そのため、ボードの前に子供や犬を前に乗せたい人に最適です。
しかしそれだけではなく、デッキの上に荷物や道具を置いても滑りにくいので、釣りなどにも大変重宝します。


上の写真で前デッキに載せた釣り道具を入れたバスケットは、ボードに括り付けることなく置いているだけですが、デッキパッドのおかげでちょっと揺れたくらいでは滑り落ちてしまうことなどありません。
しかし、2枚目の写真のような状況で出艇する場合、小さくてもスープを食らうと荷物が流れて行きそうです。
それをどうやって対処するかと言えば、スープを超えるまではバスケットを手で持っておいて(ロッドも含め主要な荷物は全てバスケットの中に入れておき、その他はバンジーコードで固定しておきます)、スープを超えたらタイミングを見計らってデッキの上にバスケットを置くだけです。
これだけで何も問題ないと言うより、荷物をボードに固定してしまうとバスケット全体が波を被ることになりますが、それがないのでむしろ好都合です。
こういった臨機応変で身軽な動きは、シットオンも含めカヤックよりSUPの方がずっとしやすいと思います。
また、このようにバスケットが固定されていない方が、パドリング中と釣り場に着いてからとでバスケットを置く位置を自由に変えられる(パドリング中はパドリングの邪魔にならないようになるべく前の方に置いておき、釣り場に着いたら自分の方に引き寄せる)ので何かと便利です。
それもこれも、広い範囲に貼られたデッキパッドのおかげです。
それでも、デッキの上に置いただけでは不安と思われるかもしれませんが、少なくとも私は揺れたり波を被って荷物が落ちるほどの状況でSUPやカヤックに乗って釣りに行こうとは思わない(SUPフィッシングは海況が穏やかな日に楽しむものと考えています)ので、これで十分だと思っています。
前後の荷物エリア


デッキパッドが全面に張り巡らされているだけでなく、BULAは前デッキにもに後デッキにもバンジーコードを張るための6点のプラグが埋め込まれています(バンジーコードも付属)。
前後のデッキに荷物をしっかり固定することができ、浮力も高いので、かなり多くの荷物を積むことができます。
また、先程のようにバスケットを置くだけのような積み方では不安と考えるのであれば、これらのバンジーコードで荷物を固定しておけば良いまでです。
グラブハンドル
グラブハンドルは、下の一枚目の写真のように指をかける一般的な方法と、2枚目の写真のように親指も使って握って掴み上げるような使い方もできます。


このハンドルの仕組みは、ボードを水平に持ち上げたいときなどに大変便利です。
レール部分のリーシュプラグ
グラブハンドルを中心に、左右4箇所(片側2箇所)にも細いロープやバンジーコードなどを取り付けられるプラグが埋め込まれています。


ここに輪にした細いロープを通しておけば、シットオントップカヤック用のシートなどを付けることができるようになっています。


シートだけでなく、フットストラップも付けられます。
しかし、SUPのボードに座って漕ぐ場合は「背もたれがあるより、座面を少し高くした方が腰への負担が減って余程漕ぎやすくなる」が私の経験上の正直な意見です。


体育座りでダブルブレードのパドルでパドリングする際は、上の写真1枚目のような少し厚みのある座布団を敷いた(置くだけでもデッキパッドで滑りません)方が、背もたれがあっても座面の薄いカヤック用のシートより断然腰への負担が減り楽に感じ、はっきり言ってフットストラップはあまり意味がないと思います。
また、これは大分以前から提唱していることですが、シングルブレードのパドルで座ってパドリングする場合は、上の2枚目の写真のように折りたたみ式の低いスツールなどを置くとパドリングが楽(普通に腰掛けることもできますが、正座座椅子の使うのも良い)になります。
または高さの低いクーラーボックスなどを置いて、その上に座って漕ぐのも良いと思います。
「背もたれ付きカヤックシートはあまり…」のようなことを書いてしまいましたが、背もたれ付きカヤックシートがあれば下半身付随の人などがボードに座って乗ることができるようになる(ウェイブスキーで実証されている)といった利点もあるので、やはりカヤック用シートが取り付けられる利点は大いにあります。
または、ここに運搬する時の用のショルダーストラップを取り付けることも可能です。
ボードが重いので、ショルダーストラップを付けるのも良いし、下の写真2枚目のように各種流れ止めなどを取り付けることもできるので、この四か所のプラグは工夫次第で色々便利に使えます。


前後のリーシュプラグ
テールには大きめのサイズのリーシュプラグが左右に2つ付き、ノーズ付近にも同じ大きめのサイズのリーシュプラグ1つ付いています。
ノーズのリーシュプラグは、子供や犬をボードの前の方に乗せるときに便利そうです。


また、これらを利用して前後にグラブループを取り付ければ、シーカヤックを2人で運ぶ時のような方法で前後2人でボードを持って運ぶことができるようにもなります。


後ろはリーシュプラグが2つあるので、両方利用して上の写真の2枚目のようなハンドルを作って付けてみました。
荷物をたくさん積んでいる時も、このハンドルがあるとテールを持ち上げやすくなり(フィン側を持ち上げたい)便利です。
このハンドルは、中は塩ビのパイプ(水道管)で、外側はホームセンターで売っている柔らかいウレタンのチューブです。塩ビパイプをウレタンのチューブで巻いている理由は、ボードに当たってカタカタ鳴らないようにするためです。
ロープはリフレクター付きにしたので暗いところで光が当たると光ります。写真ではイマイチですが、実際にはもっと目立ちます。


また、このリーシュプラグは一般的なリーシュプラグよりサイズが大きめなので、自転車用のケーブルロックなどを取り付けることが可能(※ 入るサイズと入らないサイズがあります)です。
自転車などと同様、ボードを置いて離れる場合などに安心です。
2つのフィン
BULAにはもう一つ大きな特徴があります。
ボードのテール付近にある普通のフィンの他に、ボードのセンター付近にもフィンを取り付けられるようになっていることです。
フィンは、後ろにつける普通のフィンと、センターにつけるフィンの2本が付属します。
そして、どちらのフィンもボックスにパチンとはるだけで取り付けられるスナップインフィンシステムなので、面倒なネジ止めが不要(普通にネジとプレートナットで固定することもできます)です。


センターにもフィンを付ける意味や理由ですが、これを付けるとウィンドサーフィンのダガーボード(ボードの上から抜き差しできるわけではないので、ダガーボードとは呼ばないと思いますが、センターフィンやキールフィンと呼んでも誤解を招いてしまうので、何と呼んだら良いのやら?)のような役割を果たし、風による横流れが抑えられます。
BULAのデッキにはウィンドサーフィンのユニバーサルジョイントを取り付けられるネジが切ってあるので、BULAは初心者にも乗りやすいウィンドサーフィンのボードにも変身しますが、このセンターのフィンがあるおかげでウィング用のボードとしても大変使いやすくなります。


ウィングフォイルを始める前段階として、これで練習するのも良さそうです。
また、センター用のフィンは、もちろん普通のフィンの位置に取り付けることも可能です。
普通のフィンの代わりにこれを付ければ、より直進性が高くなるため、長距離ツーリングなどには、こっちのフィンを付けるのも良いと思います。
また、釣りをする時もこのフィンをつけておいたらノーズが風下に向いてしまいにくくなり、便利かもしれません。先日ふと思いついたところでまだ試してはいないので、近日中に試してみようと思っています。
安定性・操作性・スピードなどについて
色々便利な機能や特徴について説明しましたが、次に肝心な乗り心地についてです。
安定性
BULA 10’6″は、最大幅が32 1/4inchで、最大厚は4 7/8inch、ボリュームは207Lあり、抜群の安定性があります。
しかし、幅が広すぎると小柄な人などは逆に漕ぎにくくなってしまうこともあり、厚みが増えればボリュームが増して安定性が高くなりそうなものですが、厚すぎると立つ位置が高くなって不安定に感じるので、とにかく幅が広くて厚みがあれば安定感が増すと言うことではありません。
この数値は、大抵の人にとって広すぎず厚すぎずのちょうど良い塩梅だと思います。
そして、重い(14.5kg)ことは弱点ばかりでもなく、安定性の高さに一役買っているようにも思います。
このボードは、iSUPのような波による跳ね返りが少ない(もちろんボードによって程度や性質は異なりますが)ため、iSUPより横方向の振幅が抑えられ、ラフな水面では大抵の人がiSUPより安定していて操作しやすいと感じるのではないか(慣れも関わることなので、一概には言えないことですが)と思います。
スピードと直進性と操作性
安定性が高いと言うと鈍臭そうなイメージも湧きそうですが、このボードは、同じくらいのサイズの一般的なラウンドノーズのオールラウンドタイプのボードよりずっと速いと感じます。
漕ぎ出しは軽いiSUPの方が速く感じる(もちろんボードにもよります)こともあるかと思いますが、走り出してしまうと思いの外速いというか、変な表現ですが、普通に結構速いボードといった印象で、快適にパドリングできます。
そして、トラッキングも良いのですが、長さもそこそこなので、方向転換で難儀するようなこともありません。
ショートツーリングや釣りの足として何度か使用してみました(そこそこラフな海面でも)が、とても快適で乗りやすいボードでした。
誰もが乗りやすい、操作しやすいと感じるような、とても良い具合に性能のバランスが取れたボードです。
また、私は左足に持病があり、水面がラフな場合など、状況によっては左足の脹脛や向こう脛の筋肉に独特な酷い疲労感を生じることがあるのですが、このBULAやCROSSOVERでは長年乗り慣れている9ftのサーフィン用のボードやツーリング用のred paddleのVoyagaer 13’2″より左足の膝から下に独特な疲労を感じることが断然少なく、持病のある左足にとって大変優しいと感じています。
乗り慣れたボードでも膝から下に疲労が生じるのは、特に意識していなくても状況によって脹脛や向こう脛の筋肉を思っている以上に使っているからなのだと思うのですが、逆にBULAやCROSSOVERはそれをあまり使わずに済んでいるのだと思います。
そして、BULAに最初に乗ったのは、サーフスポットで、こちらの記事にある通り、乗ったのは厚みと力もそこそこある腰サイズのメローな波だったのですが、全然普通に波乗りを楽しむこともできてしまいました。
その後も脛膝サイズのオンショアの小波なども試していますが、オンショアのラフな海面でも楽に立っていることができて、問題のある左足が疲れてしまうようなこともありません。
もちろん力のない小波も楽に乗れてしまいます。
スペック・価格
重さは、ThermoformよりBamboo Epoxyが3kg前後軽くなっています。
LENGTH | WIDTH | THICKNESS | VOLUME | WEIGHT Thermoform | WEIGH Bamboo Epoxy |
10’6″ | 32 1/4″ | 4 7/8″ | 207L | 32 LBS (≒14.5kg) | 26 LBS (≒11.8kg) |
11’6″ | 33 1/2″ | 5 3/8″ | 265L | 37 LBS (≒16.8kg) | 30 LBS (≒13,6kg) |
そして、外観もはっきり言ってBamboo Epoxyの方がカッコいいとは思います。
しかし、Thermoformバージョンは全面デッキパッドと頑丈という大きな利点(Bamboo Epoxyも丈夫にできていますが)があります。
Bamboo EpoxyはHexa Tractionを貼るという手もありますが。
外観:Thermoform


外観:Bamboo Epoxy


価格
前回の記事では価格が決定していませんでしたが、今回は価格表を掲載します。
基本は、フィン2本と、お得なコイルリーシュ、2Pアジャスタブルパドル(グラスシャフト・PPブレード)付きで、下記の表はこれらが含まれた価格です。パドルとリーシュが不要の場合はご相談ください。
税込価格 | |
10’6″ Thermoform | ¥20,6800(税別本体価格¥188,000) |
10’6″ Bamboo Epoxy | ¥27,1700(税別本体価格¥247,000) |
11’6″ Thermoform | ¥22,4400(税別本体価格¥204,000) |
11’6″ Bamboo Epoxy | ¥27,8300(税別本体価格¥253,000) |
長距離ツーリングにも対応する正しいSUPの進化形の万能ボード
BULAは、普段の散歩のようなツーリングやエクササイズ的なツーリングに持て余すようなことがなくて使いやすく、釣り用としても最高のボードです。
それでいて、ちょっと波のある日なら、派手なアクションはできませんが、普通に波乗りも楽しめてしまいます。
一般的なオールラウンドなタイプのボードでもそこそこの距離のツーリングはできますが、荷物をたくさん積んで長距離のツーリングをしようという気になる人は少ないと思います。少なくとも快適に長距離ツーリングのできるボードを知ってしまっている(贅沢を知ってしまっている)私は、申し訳ないけれどそんな気にはなれません。
BULAもオールラウンドなタイプのボードに分類されるボードであり、もちろんレースボードのように速くはありませんが、ツーリングに十分なスピードを引き出すことができ、とにかく様々な状況でも楽にパドリングができ、荷物もたくさん積めるため、長距離ツーリングにも十分対応する性能を備えています。
贅沢を知ってしまっている私でも荷物をたくさん積んだ長距離ツーリングに使いたいと思えるボードです。
少し誉めすぎのようにも思えますが、要するに稀に見るような万能ボードだと思っています。
これまで私は、ツーリングには殆どの場合Voyagaer 13’4″やCompactなどインフレータブルのツーリングボードを使用してきました。
しかし、BULAやCROSSOVERの使いやすさを知ってしまうと、クルマで行けるところのツーリング、例えばパドリングして島まで渡ってキャンプして、ぐるっと回って帰ってくるようなコースのツーリングであれば、今後はBULAやCROSSOVERを使用し、基本的にiSUPはクルマで持って行けないところ(主に飛行機や船で行くようなところ)用やワンウェイツーリング専用にしようなどと画策しています。
そして、用途に特化して進化するのも良いと思いますが、本来SUPは1本のボードで色々なことができることが大きな魅力だったと思うので、個人的にはこういったボードこそSUPの正しい進化形のように感じています。
試乗もできますので、ご興味のある方はご連絡ください。
冷やかし防止のため試乗代金は¥7,700いただきますが、ボードをご注文いただいた場合(BULAでなくても)は試乗代金は返金いたします。
BULAは、1本のボードで何でもしたい人にもセカンドボードとしても自信を持ってお勧めできるボードです。