Waterfield 不知火を化粧直し

Diary

以前このBlog記事に書いたWaterfieldの不知火(Shiranui)。

葉山だった頃にご購入いただいたカヤックだから、帰ってきたとの言うのも少し変だけど、嫁ぎ先からCetusに戻ってきた時の様子が上の写真。頻繁に使用されていたけど、大事にされていたので状態はとても良く、ネコだったら寿命の年齢とは思えない綺麗さではありました。

しかし、デルリンのバックルは割れていないけど流石にウェビング類などは傷んでいたので、せっかくだから化粧直しを施し、艤装にも少し手を加えることにしました。

これが化粧直し後の全体像。

グラブライン

このカヤックは現行の不知火IIになる前のオリジナル不知火です。バンジーコードなどを留める部分がリセスされていなくてアイストラップがビスで固定されていて、デッキを外周するグラブラインも付いていません。明確に覚えていないけど、アイストラップの位置や数からしてグラブラインは元々付いていなかった(現行の不知火IIには付いているようです)と思います。

一番最初の写真を見てもわかる通り、コックピットの縁以外は基本的にツルツルした曲面で構成されているカヤックは意外と掴むとこところがなく、細いロープでもガンネル付近を外周しているグラブラインがあるのとないのとでは大違い。

沈脱した場合、カヤックって意外と水中で掴まえておきやすいものではなく、少し風が強かったりすると思いの外簡単に手から離れて流されてしまいます。水が冷たくて手が悴んでいたりしたらなおさらです。そんな時のためのグラブラインです。

自分にはあまり関係のないことで多分使うこともないと思うのですが、いつ何が起こるかわかりません。急に体が自由に動かなくなる可能性だってなくはないのです。

安全装備を整えておくことは自分のためだけでなく、世間に対する責任でもあります。グラブラインはシーカヤックの基本的な安全装備の一つでもあるので、これは付けることにしました。

それで、フォアデッキのアイストラップの付いている位置は結構内側寄りで、グラブラインを付けるのに適した位置ではないのですが、車に載せる時に引っかかりやすくなったりするので、これ以上やたらにアイストラップの数は増やしたくありません。

そこで、ハッチカバーを固定するウェビングをまずは交換したのですが、そのウェビングにループを作り、コックピット直前にはDelphinaにも付けているユーティリティーベルト(私が勝手につけた名称)を付け、その付け根にもループを作り、グラブラインとなるロープ(写真の黒い細いロープ)はこれらのループに通して固定することにしました。

そして後側はこんな感じ。

バウライン

また、バウラインも付いていなかったので、Delphinaと同様にリフレクター付きのフローティングロープを付けました。バウラインがあると係留するときに便利ですが、それだけでなくシーアンカーを使う時や何かあって他の人に牽引してもらう時にも使えます。

上陸した後も、風が強いときはカヤックが飛ばされないようにこれを使って何処かに舫っておいたりすることもあります。私は自分用のカヤックだけではなく、レンタルのカヤックを使ってツアーを開催していた頃は人を牽引すことがあったこともあり、全てのレンタル艇にもバウラインを付けていました。自分のカヤックにバウラインが付いていないようでしたら、絶対に付けておくことをお勧めします。

Feathercraftにはバウラインが標準で付いていましたが、フローティングロープではありませんでした。しかし、バウラインにはフローティングロープ=水に浮くタイプのロープを使うことをお勧めします。

何故なら、ロープの先を沈めてしまった場合、ロープの付け根はカヤックの舳近くにあるわけだからコックピットからはロープの付け根には手が届かず、自分自身で引き上げることができなくなってしまいます。しかし、水に浮くロープなら、誤ってロープの先を手放してしまったとしても自分で回収できるからです。

バウラインは長さを簡単に調節できるバレルノットにしておくと便利です。そして長さはなるべく長く使えるようにしたいので、バレルノットの輪の中に通したフックを上の写真のように外すときに体を捻って腹筋が攣ったりしない程度の後方にかけられるようにし、二つ前の写真のようにコックピットから手を伸ばして届く範囲のなるべく前に遠い位置にバレルノットのコブがくるように長さを調整しています。

バウラインとは関係ありませんが、サイドスクイーズバックルの付いた縦向きのウェビングは、パドルフロートレスキューをするときにパドルを固定するためのベルトで、コーミングの後の横向きの溝は、その時にパドルのシャフトをはめるためのものです。

私自身はパドルとコーミングを一緒に掴めば問題ないと思うのですが、それが上手くできないと言う人も少なくないので、これは良いアイディアだと思います。

ハッチカバー固定用のベルトとアフトデッキのバンジーコード

ハッチカバーを固定するウェビング用のバックルは、一般的なデルリン(プラスチック)のサイドスクイーズバックルではなく、割れない金属製のこんなタイプのフック(Gフック)にしてみました。このフックはウェビングの輪に通っている必要がないので、デルリンのサイドスクイーズバックルが割れてしまった時の交換用としても使えます。もちろん長さ調整もできてしっかり締まります。

そして、後のデッキのバンジーコードは、ハッチの上の部分にはフックを入れて外せるようにし、1本で3組(6個)のアイストラップ全体にかけられるようにしています。さらにスライダーを入れて長さも調節できるようにしています。

なるべくならデッキには荷物を積み上げない方が良いとは思いますが、大きな荷物も積みやすく、荷崩れしにくくなっています。

フォアデッキのバンジーコード

フォアデッキのバンジーコードはこんなかけ方にしています。普通の張り方より少し左右別々にテンションがかかるような感じとなり、挟んだ物がズレにくくするための工夫です。

予備や交換用のパドルは後のデッキに積む人が多いと思います。私も以前はあまり深く考えることもせずそうしていました。

しかし、水上にいてコックピットに入っている状態では、後にあるパドルを抜き取ることはできたとしても、交換してそれまで使っていたパドルを自分で後のデッキに積み直すのは至難の技です。少なくとも私はそんことをしたら腹筋が攣ってしまうか、肋辺りが何か変なことになってしまいそうです。

パドルがコックピットの前にあれば人の手を借りることもなく交換が可能です。てことで、現在私はフォアデッキに積むようにしています。そして、パドルを固定することを考慮して、バンジーコードもフォアデッキ側はしっかりとした太めのものにしました。

こんな感じで化粧直しをしてあげたり、自分が使いやすいように少し手を加えると、さらに愛着が湧いてきます。少し古くなったカヤックも貫禄が増しつつ、若返りも図れます。皆様もいかがでしょう?

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